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発送代行 サービスのAPI連携 -EC運用の手間をなくすために知るべきこと-

発送代行 サービスを利用して手間をなくせてますか?

突然ですが、 発送代行 サービスを利用する際に期待することは何でしょうか?

 

コストは当然のことながら、恐らく、多くのネットショップ事業者の方が期待するのが「手間の削減」ではないでしょうか?

 

副業やスモールチームでの起業がとても簡単にできるようになった最近では、ネットショップ運営に乗り出す方もとても増えています。しかし、一方でどうしても時間や人的なリソースが限られるので、物流を含めたバックオフィス業務はアウトソースを効率よく利用したいところです。ここでは物流のアウトソースである発送代行 サービスを賢く使うために抑えおきたいことを「システム連携」を中心に解説します。

 

 

API連携で 発送代行 サービスの手間をなくす

API連携、これが発送代行サービスで抑えておくべき最重要項目です。これが出来るか、出来ないかで運用時点での作業工数は雲泥の差が出ます。

発送代行 サービスを利用する時に知っておきたい3つのこと-ネットショップ運営初心者向け-でも紹介しましたが、APIとはApplication Programming Interfaceの略語で、各システムのソフトウェアの一部を公開することで他のソフトウェアの機能を共有できる仕組みです。

APIをうまく活用することで実際の業務は簡素になり、また、これが重要なのですが「人為的なミス」「発送代行会社とのコミュニケーション」を劇的に減らすことが出来ます。

 

最近ではECカート側も積極的にAPIを公開しており、情報連携にかかるコストはどんどん下がっております。また、標準化されたAPIが公開されることにより物流会社側も主要なECカートのAPIについては事前に実装することが出来るようになり、新規の事業者も最初から自動化された運用を行うことが出来るようになっています。

 

CSV連携で発生する人為的なミス


API連携がいかに便利かを説明する前に、API連携ではない発送代行サービスとのデータ連携について解説します。

 

API連携をしない場合、CSVファイルを手動で連携する方法があります。CSVとはComma Separated Valueの略語でデータをカンマで区切った値のことを指し、またこのデータ形式で生成されたデータをCSVファイルと呼びます。

このCSVファイルの連携は以下のような作業が発生します。

 

<CSV連携時に発生する手間の事例>

商品マスタの連携・・・新規商品の追加時、また、商品コードや販売価格等の納品書記載データの変更時。

在庫データの連携・・・通常の入出荷以外の特殊な荷動きが発生した時。

受注データの連携・・・毎日。通常、毎日12時から14時の間で発送代行会社へのデータ送信。

出荷実績データの連携・・・毎日。通常、毎日17時から19時の間で送状No.記載の実績データを発送代行会社より受信。

出荷実績データの登録・・・毎日。受信した実績データをECカートにCSVアップロード。

 

このような作業を日々おこなうことだけでも手間ですが、実際には手動で行うからこそ様々なエラー発生の原因になります。

 

<CSV連携時に発生するエラーの事例>

ファイル形式変換ミス・・・手動でCSVをカートシステムからDLする際に誤ったファイル形式を選択してしまい取り込めない。

ファイル破損・・・ファイルの開封を行ってしまい、データが破損し、住所データ・商品データ等が文字化けしてしまいうまく取り込めない。

ファイル誤送信・・・DLしたCSVファイルを発送代行サービスに転送する際に誤った送信先に送信してしまう。

ファイル取込み漏れ・・・データ送受信のアナウンス忘れ等により、受注データ・出荷実績データ等が取込みが漏れ、出荷されない、実績を確定できない等が発生する。

 

こういったエラーはリカバリーに要する時間も多大になることから、多くの工数を割かれることになります。また、エラーを発生させないために、二重三重のチェックを行う必要があり、エラー防止の工数も馬鹿になりません。

これらのことを少ないリソースで事業を始めたネットショップ運営者にとっては工数を割かれるばかりでなく、消費者の信頼を失うことに直結する部分ですので強いストレスがかかることになります。

 

発送代行 サービスとのコミュニケーション


また、発送代行 サービスとCSVファイルで連携した際に忘れてはならないのはコミュニケーションコストも大きく発生するということです。

 

当社はオペレーション用のコミュニケーションツールとしてSlackを利用しておりますが、Slackで各ネットショップ運営者の1件毎のメッセージ数はCSVファイルが0.08メッセージ/件なのに対して、API連携では0.02メッセージ/件と約4倍の開きがありました。

 

当然、より大きな規模でやられている運営者の方がAPIを希望する傾向がありますので、一概には言えませんが肌感覚的にもCSV連携の方がはるかに工数を取られているのは間違いありません。

 

<発送代行サービスとのコミュケーションコストの事例>

入荷予定の日付や内容・数量の変更

受注データの住所変更・受取日変更

特殊流通加工の指示

誤配送や在庫差異の連絡・報告

 

こういった内容を日々やりとりすることになりますが、実はその大半は通常系でAPI連携をしていればデータの自動更新で対応できるものになります。そうすることでよりイレギュラー作業のやりとりに特化することができるようになり、運用上のストレスも軽減することができるはずです。

 

 

API連携が出来るだけでは解決しない問題

ここまでCSVとAPIの対比でAPIにすることで手間が大幅に削減できることを解説しました。正直にAPI連携が可能な状態意図的にしない方がいいことは基本的にはありません。

しかし、一方でAPI連携ではなくCSV連携をするネットショップ運営者はまだまだ多いのが実態です。では、なぜCSV連携が未だに主流の連携仕様として定着しているのでしょうか?

 

〈CSV連携が未だに主流の連携仕様である理由〉

CSV連携の簡易さ・・・CSV連携は吐き出し口と取込み口さえあればすぐにで使えてしまう。

CSV連携の柔軟性・・・ファイル内容を手動で修正可能。

経営者の思い違い・・・ネットショップの経営者がオペレーション理解度が高くなく、「それくらい」の認識で担当者に負荷をかける。

物流会社の至らなさ・・・連携先のITリテラシーが高くなく、CSV連携を薦められてそのままになっている。

API連携で発生するコスト・・・送受信側双方でAPI連携をすると別途課金される。

 

当社の新規営業でCSV連携を利用している理由として良く耳にするのでざっと上記のようなものがあります。CSVの連携の簡易さや柔軟さは実際にかなり自由度が高く便利です。その分エラーも多いのが実態ではありますが、一長一短というところです。オペレーションの理解度や物流会社側の準備不足も実際にはAPI連携に変えれない理由としてよく聞きますが、こういった場合はすぐにでもAPI連携の対応を始めることをオススメします。

 

ここではCSV連携の自由度の高さに注目して、逆にAPI連携ができるだけでは解決しない問題について解説します。

 

自社独自のマーケティング非対応の場合


受注データを連携する際に自社独自の販促施策を盛り込みたいというニーズは多くあると思います。

ここではAPI連携では実現出来ない可能性のある施策の事例を紹介します。尚、ここに記載の内容はECカートによっては対応可能なものも多く含まれていますので、自社の施策で該当するものがあってもAPI連携出来ないということではないので注意してください。

また、APIは仕組み上、情報の送受信それぞれに対応する口が必要になるので片方は送信側は考慮して作られているが、受信側が受け取れない、ということも発生します。

 

〈APIでは実現できない可能性のある施策〉

リピート通販・・・販売回数に応じて同梱物の変更や納品書記載の金額の変更等の設定

チラシ同梱設定・・・商品別の同梱内容やセット商品販売時の特殊な設定

複数受注の同梱設定・・・同日内の複数受注の取りまとめ実績の受信設定

複数拠点の一元管理・・・複数の在庫拠点への最適な在庫引き当ての設定

 

こういったことをする場合、APIの送受信時に双方の吐き口・受け口を個別に設定する必要がありますが、時としてECカート側が対応していなかったり、発送代行サービス側が対応できていないということがあります

 

これらを回避するためには、社の販売施策を実現できる①自ECカートを選定する、②物流代行サービスを選定することが求められます。ネットショップを初めて運営する際にはどうしてもサイトの見た目に注目してしまい、運用面でのメリット・デメリットを検討することがおざなりになってしまうケースがあります。実際に当社の顧客にも見た目を重視してECカートを選定しても自社の成長に応じて運用コストが大きくなり、後になってもECカートを乗り換えるケースは非常に多いです。

 

ECカートの乗り換えは単に開発の費用面だけではなく、顧客情報の蓄積や移行先への顧客の誘導等、見えないコストも多く発生しますので、最初に運用をしっかりと確認して自社のサービスにあったECカートを選定されるべきです。

 

APIのイメージ画像

API連携にお金がかかり、CSVでの運用を希望する場合


API連携のCSV連携に対する便利な点を解説してきましたが、便利なものにコストはつきものです。実際にはAPI連携をすると発送代行サービス側も業務が効率化されるため、無料で連携する会社も少なくありませんが、別途課金されるサービスもあります。また、ECカート側でもAPIの用意がない、或いは、用意はあるが別途課金されることがあります。これは以前紹介したWebサービス型の発送代行サービスで良く発生するケースですので別途ご確認をお願いします。

 

コスト感としてはECカート側、発送代行サービス側それぞれ月額1~2万円程度でサービス提供しているところが多いようです。

 

最初期においては固定が発生する金額はなるべく避けたいところですので自社で発生している工数と比較してAPI化を検討すると良いかと思います。感覚的には30件/日を越えたあたりでAPI連携を検討するネットショップ運営者が多いように感じますが、この辺りは実際の社内のリソースを検討した上で考えられると良いかと思います。

 

最後に

ここまでAPI連携で実現できる手間の削減を解説してきましたが、何より重要なのは最初にECカートや発送代行サービスを選定する際にしっかりと自分たちのやりたい運用をイメージして、それに見合うサービスを選定することです。

 

先ほども書きましたが、委託先の変更やECカートのリプレイスは予想以上に工数や費用が発生するので、予め、現状含め、将来のことを考えて選定されると良いかと思います。また、コスト面でCSV連携を選択することはありますが、その際でも中長期的にスムーズにAPI連携に移行できるように同じく実現の可否を考えて選定を進めてください。

 

もし、発送代行サービスの利用だけではなく、ECカートの選定で悩まれている方がいらっしゃれば各カートの特徴含めて当社の営業担当よりご説明差し上げますので気軽にお問い合わせください。